歴史

私たちは440年にわたり、紙製造から始まり、他に類を見ない品質と革新力を誇る国際的なブランドへと成長してきました。

代々にわたって、世界中の人々から信頼されてきた私たちの「鶏」のマークがついた紙。
ルネサンス時代からデジタル時代に至るまでの4世紀と40年、私たちは常にアート、科学、産業の最前線で活躍する高品質な紙や用途を提供し続けています。

ちなみに1584年創業時、日本は何がおこっていたかというと、三方ヶ原の戦いで徳川家康が武田信玄と戦っていた頃にあたります。

グリーンルースター
プロジェクト(*)

ルースターはハーネミューレのマーク雄鶏のことです。
持続可能性を追求するには大切な原材料(グリーン)を保護する義務があります。

その対象にはきれいな水(化学処理を一切必要としない極めて高い純度)、天然繊維(リグニンを含まないセルロース)、リンター(綿花の主旨を囲む細い繊維=高品質の紙には重要)があります。そのため、森林再生、動物保護(動物性の油脂を一切使用しない:ヴィーガン)、環境教育プログラムを支援しており、それがこの理念を成り立たせています。

異なる製法と種類

型抜き水彩紙

フォードリニア抄紙機にて製造されます。ベルトコンベアーのように動くベルトの振動で、移動するワイヤーから水が排出され、残ったパルプがシートの紙に固まります。工程上、表面の繊維が一方向のみに堆積(顔料の流れに影響)するため、描写時の色のグラデーションが予測可能です。
ディッケルエッジ状の紙

アカデミー水彩紙

伝統的な紙の製造法で、シリンダーモールドマシーンにて製造されます。シリンダーの回転運動で、繊維が循環するフェルト上に堆積し、紙のシートができます。

製造中にシリンダーがゆっくり回転するほど完成品の品質が高くなる、まるで

手作りの紙のように慎重な製造プロセスです。このモールドメイド紙では顔料の流れが予測できないため、より経験豊富なアーティスト向けです。

また、表面構造がユニークで、最適な色の再現を可能にし、耐久性に優れているほか、繰り返しの消去にも耐えます。紙の端はディッケルエッジとなっているのも特徴です。

水彩画だけでなく、グアッシュ、テンペラ、不透明色、ラビィなどの他のウェットペインティング技法、木炭、鉛筆、クレヨンでの描画にも適します。

品質基準

原材料組成

外観・強度にも影響する原材料の組成と、
紙の品質の主な基準
  • 100%のリネン及び、または綿繊維を含むラグ紙
  • ハーフラグ紙は通常、50%のラグ繊維と50%のセルロース
  • 25%のラグ繊維と75%のセルロース

紙の表面構造

性能特性に大きく影響する
重要な品質パラメータ

紙は両面印刷されており、製造時におけるワイヤー面(ワイヤーと接触している、下面)にはやや凸凹があり、色付き紙の場合、下側に付着するため、この面は暗めになることもあります。

フェルト面(フェルトと接触する)または右面とも呼ばれる面は繊維を自由に配置することができるため、より滑らかで一般的に明るくなります。 充填剤も含んでおり、光沢処理中の表面の滑らかさも重要です。

透明度

紙が粗びきか細びきか紙の厚さ、
充填剤の含有量による
透明度は紙の厚さに影響しますが、多くの紙の品質にとって望ましくはありません。

サイジングに関して

サイジング剤の役割は繊維と充填剤を結合することです。サイズ剤が均一で適量でなければなりません。サイズ剤はストックサイズ剤と表面サイズ剤の2種類があります。

ストックサイズ剤:紙の製造工程の中で材料の中に含まれます。
表明サイズ剤:紙の表面が乾燥してから塗布します。

紙のサイズ剤が不十分で質が悪いことは紙の反対側ににじみ出るギザギザの線や紙の表面にはがれた繊維が見られることでわかります。

強さ

紙の用途に応じて、破断強度、引張強度、破断長さ、伸び、引き裂き強度、耐折強度、剛性などの様々な試験方法でテストされます。

坪量と厚さ

坪量は平方メートル当たりの重量で、gsmで表します。

200gsmまでの坪量は紙とみなされ、200gsmを超えると板紙、または低品質の板紙と定義されます。ミクロンで測定される紙の厚さは、坪量に関連する重要な特性です。

外観・強度にも影響する原材料の組成と、
紙の品質の主な基準

紙の繊維の方向性は製造時のワイヤーの移動方向と一致しており、木目のように見えます。

抄紙機上で織られた紙が移動する方向は、機械方向と呼ばれますが、対する横方向への伸びや引張強度は湿度により変化します。紙の目がそろっていないと紙の端がカールする可能性もあります。

紙の劣化

外観・強度にも影響する原材料の組成と、
紙の品質の主な基準

紙は非常にゆっくりとしたプロセスで修復不可能なほど劣化していきます。これは繊維に添加される硫酸アルミニウムによって引き起こされます。
これを防ぐためには樹脂サイズ剤が依然として最も一般的に使用されている方法です。
望ましくない副作用は中性剤を使用することによってのみ防止できます。
すべてのファインアート紙にはアルカリ緩衝材として炭酸カルシウムが含まれており、pH値は少なくとも7ですが、すべてのハーネミューレ紙グレードには4%の炭酸カルシウムカルシウム緩衝材が含まれており、pH値は7.5~9.5です。